空と星と私達

本格的移転開始 1/30 小ネタ(VOCALOID・extra)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

はじめに(必読)

ようこそ空と星と私達へ

ここはねむひが管理する百合・GLを含む二次小説系の趣味丸出しブログサイトです。
原作者並びに公式とは全く関係ありません。


・百合・GLを知らない。
・知ってるけど苦手もしくは興味ない。
・荒らしに来ました。

上記に当てはまる方はそのままお引き取りください。





オリジナル作品は著作権を放棄しておらず、二次作品は原作者に著作権を帰属致します。
オリジナル作品は著作権保護のため、二次作品はモラルの観点から無断転載は止めてください。
ですが、オリジナルなど気に入ったシチュエーション等ありましたら、工夫なりインスパイアなりして使って頂いて構いません。
(コピペ改変などのまんまパクリはダメです)



ただいまリクエスト募集中です。小ネタ程度の文章になりますが、よろしければリクエストお願いします。
基本的にエロ、グロなどの年齢制限に引っかかるものはあらかじめお断りさせていただきますのでご了承ください。
あと、管理人が書けないと判断した場合もお断りしますのでなにとぞご理解をお願いします。




なお、過去にリクエストしていただいた方に限りお持ち帰りはOKです。方法は余程のことがない限り問いませんので、分からないことがあればお問い合わせください。
あと、不具合などがありましたらご報告お願いします。


連絡先はこちら

お問い合わせ

迷惑メール対策のため先頭についているごめんねー(gomenne-)を削除してからお送りください。お手数をおかけしますがよろしくお願いします。
お問い合わせには多少時間を要することがありますのでご了承ください。


リンクにつきまして、ここはリンクフリーです。ブックマークをされる方はトップページにお願いします。
貼るも剥がすもご自由に。
スポンサーサイト

ご案内

携帯、PC共にお品書きにて作品を公開していますので、携帯の方は上のお品書きから、PCの方は右のお品書きからどうぞ。

ちなみに小ネタは別館になりますので、それぞれリンクをクリックしてください。

一応、こちらにもリンクは張っておきますから、よろしければどうぞ。


ボーカロイド 4/1UP

ボーカロイド・extra 1/3UP

QMA 10/31UP

NOIR 1/6UP

その他 1/23UP


なお、拍手の返信は日記にて、コメントの返信は同じコメント欄にて行いますのでご了承ください。

春の日差しにささげるとても優しい物語

ようやく春を迎え、ポカポカとした日差しの中、巡音ルカは縁側に腰を下ろしていた。
心地よい眠気が襲いかかってくるが、まだそれに身を委ねるわけにはいかない。一応、ルカは客分の身なのだ。ここの主を差し置いて昼寝など失礼に値するものだろう。
しかしながら、春の陽気というのは思いのほか強力なもので、ついついあくびをかみ殺してしまう。
おそらくルカが察するに、こういうことを考えてここの主は自分の部屋を昔ながらの日本家屋にしたのだろうと思っている。
その気になれば数千、数万もの部屋をイメージだけで作り上げることができるのだ。ルカがここに来てから、主が部屋のコンセプトを変えたことは今までなかったりする。
まあ、だからと言って自分が口出しするわけではないが。ルカ自身もここのことをすごく気に入ってるわけで。
そんなこんなで、ルカはここの主が帰ってくるのを今か今かと待ちわびながら一息ついていた。

「…遅いですね」

もうずいぶんと時が過ぎてしまったのだろうか。来た時に淹れたお茶もすっかり冷めてしまい、少しばかり渋みが強いように感じてしまう。
だからといって別にルカ自身、ここの主に会いに来ただけで約束を取り付けたりしたわけではなかったりする。
ただ、気が付けばここに足が向いていて、一緒の時間を共に過ごしているだけの話だ。
とはいえ、ここの足重に通うようになるきっかけは合ったりするのだが。

「来ませんね…」

少しため息を吐きながら、ルカは自分の湯飲みを見やる。中身はおよそ三分の一といったところだろうか。
仕方ないので、これを飲み干したら帰ろうと持った湯呑に唇を近づける。
その時だ。扉の開く音が聞こえてきたと思えば、慌ただしい足音が聞こえてきた。

「ただいま…って、あれ、ルカ来てたんだ?」
「ええ、お邪魔してるわ」

絶好のタイミングというべきだろうか、ここの主―初音ミクが勢いよく部屋に飛び込んできていた。
ここの落ち着いた雰囲気とは似つかわぬ、とても元気の有り余った姿につい吹き出してしまう。

「悪いわね、お先に使わしてもらっているわ」
「ああ、別にいいよ。今に始まったことじゃないし」
「それもそうね」
「いや、ちょっとは遠慮してってば」

他愛のない会話でじゃれ合って、二人はほんのりと顔を緩める。視線を交わしたと思えば、ミクはちょっと待っててと自分の部屋に姿を消し、程なくして戻ってきていた。
いつもの派手な服装ではなく、少しゆったり目の部屋着。少し袖が余っているものの、ここの部屋の雰囲気にあった姿がルカは気に入っていた。

「それでさ、今日は何するのさ。お話し、お昼寝?」

やけに悪戯っぽくにやけた顔でミクは問いかけてくる。いつもながらの展開ではあるが、とても楽しそうだ。
なんだか余裕綽々と言った様子になんとなくカチンときながら、ルカはふとあることを思いつく。
そうとなれば行動が早いか、同時に口の端をわずかながらに上げながら、ルカはミクの袖口を引っ張っていた。

「…へ?」
「そうね、それなら両方というのはどう?」

突然のことに対応できるわけでもなく、ミクはそのまま畳の上に寝転がされて、目を瞬かせながら次に視界に飛び込んできたのは天井だった。
それから間もなくミクのすぐそばで衣擦れの音が飛び込んでくる。驚いて頭を動かせば、そこには間近にルカの顔が迫ってきていた。
こんなに至近距離で視線をかわしたことなどあるはずもなく、思わず息を飲みこんでしまう。胸の鼓動がはっきりと聞こえたような気がした。

「ルカ…?」
「ほら、こうして春の陽気に晒され続ければ気持ちよく眠れるわよ?」
「だ、だからって」
「驚いた?」
「当たり前でしょっ!?」

いきなりのことで頭が真っ白になってしまったが、こうして落ち着きを取り戻してしまえばいろいろな感情が湧き上がってくる。
とりわけ頭に血が昇ってきてるのを落ち着かせようと、ミクは大きく息を吸い込んでいた。

「大体、ルカってばなんでいきなりこういうことしてきたのさ?」
「それは…、ミクは全然私のこと気にしてくれてないもの」
「…はい!?」

ルカの口から出てきた言葉がすぐには理解しきれずに、思わず聞き返してしまう。
口をパクパク開けてしまうほど驚いてしまっているのが、我ながら間抜けだとミクは頭の片隅で自覚していた。
そんなミクの様子に気づいていないのか、ルカは続けざまに言葉を紡いでいく。

「さっきもそう。私はミクに会うたびに余裕がないのに、ミクはまるで当たり前のように接してきてるんですもの。だから、ミクの驚いた顔を見れてよかったわ」
「そ、そんなことないってば!」

さっきから予想外の展開に頭がこんがらがっているが、ルカの紡いだ言葉に真正面から向き合おうと、ミクはルカの手を握っていく。
ルカの目を覗き込むように見つめながら、ありったけの言葉をぶつけていた。

「わたしだって、いつもルカが来てくれないかとか不安でしょうがなかったんだよ。帰ってきてドアを開けてさ、目の前にルカがいたらさ、それだけで幸せな気分になれるんだ。だから、ルカのこと思ってないってこれっぽっちもない!」
「ミク…」

ようやくお互いに本音をぶつけ合って、部屋に静寂が訪れる。とはいえ、気まずい雰囲気ということもなく、春の陽気のような暖かい空気が二人を包んでいた。
しかし、それも長くは続かないもので、どちらからともなくおしゃべりの時間が再開される。
二人は寝転がったまま話題が尽きることもなく、自然と瞼が閉じられるまでただひたすらに二人の時間を過ごしていた。


それから時計の長針が一回りした頃だろうか。寝ぼけ眼を擦りながらミクがゆっくりと起き上がり、未だに寝息を立てているルカの顔を覗き込む。
その無防備な表情を見るのが至福と頬を緩ませながら、とりあえず自分の寝室にシーツを取りに行く。
春の暖かい陽気が出てきたとはいえ、日も傾いてくる頃にはまだまだ肌寒さを感じてしまうものだ。

「ルカ、いつもありがとね」

部屋を出ていく前にルカの耳元でささやいて、少々足取りも軽く部屋を後にする。
シーツを取りに行く間、自分の部屋を見つめながら、ふとルカと出会ったことを思い出していた。
まだ新しい環境に慣れていなかったのか、ルカはどうも落ち着かない様子でそわそわとしていた。
そこでルカに慣れてもらおうと自分の部屋に招いたところ、たまたま日本家屋に模様替えしていたのが良かったらしく、思いもよらなく話が弾んでしまい、それからはずっとルカが訪れやすいように部屋を変えないでいる。

これはミクがルカに対する秘密の内緒話。







おひさしぶりです。これはtwitterの#一斉即興小説の企画に参加してみようと書かせていただきました。お題は優しいと寝物語です。
…どこが寝物語なのかさっぱりわかりませんが。
とはいえ一年以上のブランクはやっぱり堪えますね。
一応、部屋云々というはなしはDIVAルームを意識してみました。

小ネタ(VOCALOID・extra・おひるねぎとろ 四度寝目・ネギトロ)

「ルカちゃん、あーそーぼー!」
「きゅー!」

とある昼下がりのこと、ミクとたこルカがルカを遊びに誘ってきた。
元気いっぱいのミクの笑顔にルカも当然のようにこくんと首を縦に振ってくる。端から見ても分かりやすいくらいに一人と一匹は瞳を輝かせて、ルカの手を取ると仲良く外へと歩きだしていた。

「お、ミク、ルカ。どうした?」
「えとね、みんなで一緒に遊ぶの!」

家の庭へと出てみれば、緑の髪の母親が洗濯物と向かい合っていた。丁寧に洗濯物を畳む仕草が子供たちから見たら、洗濯物と格闘しているように見えていたかもしれない。
二人と一匹のもの珍しい眼差しに気が付いて、緑の髪の母親は苦笑いを浮かべてしまう。

「ほら、ちゃんと見てるから、遊んできな?くれぐれもこっちまで乗り込んでこないように」
「はーい!」
「きゅうー!」

元気のよい返事に彼女は満足そうに頷いて、再び洗濯物へと向き合っていく。
そんな彼女を後目に、ミクとルカは彼女の視線の届く範囲に陣取ると、少しずつ距離を開けていった。
子供たちが何をするのだろうと、母親は好奇心からつい手を止めてしまう。興味深く眺めていれば、ミクが頭の上に乗っかっているたこルカを掴んで振りかぶると、思い切り投げ飛ばしていた。

「ルカちゃん、いっくよー!」
「きゅー!」

ミクの大きな掛け声とともに、勢いよく宙に舞ったたこルカはとても楽しそうにルカのもとへと飛び込んでいく。
綺麗な放物線を描くと、勢いそのままにルカの胸元へと飛びついて、キャッキャッとはしゃいでいた。すりすりと甘えてくるたこルカに、ルカはなんだか嬉しそうだ。

「ルカちゃん、お上手お上手!」

パチパチと手を叩くミクに照れくさそうにルカはうつむいてしまう。照れ照れとした態度に、ミクはにぱぁと満面の微笑みで大変ご機嫌な様子。
たこルカもまたルカの胸の内でパチパチと手を叩き、惜しみない称賛にルカの表情はますます赤くなる。
たこルカに負けじと血色のよい桃色は、ちょっとしたお揃いとミクを少しだけ羨ましがらせていた。

「ルカちゃん、こっちこっちー!」

そんなこんなで今度はルカの番だ。もともと活発的なミクとは対照的に透き通るような白い肌に細い腕、おとなしめなルカには上手くたこルカを届けられるかわからない。
そんな不安の込められた眼差しのまま見下ろせば、たこルカがこちらをじっと見つめてきていた。

「きゅっ!」

円らながら、まるで『まかせろ』と云わんばかりに伝わってくる力強い瞳に、ルカはなんだか勇気づけられる。力強く頷いて一度たこルカを抱きしめると、ミクの方へ向かい下からたこルカをポーンと放っていた。
空高く舞い上がったたこルカはゆっくりとミクへと近づいている。しかし、まだ勢いが足りない。
このままではミクのところへは届かないだろう。
はらはらとルカが不安そうにたこルカの行く末を見守っていれば、たこルカが大きく息を吸い込んでいく。

「きゅうううううっ!」

盛大な掛け声とともに、たこルカは風船のように大きく膨らんで、あらん限りの力で足をバタバタと動かしていった。

「たこちゃん、がんばれー!」

たこルカの一所懸命な姿にミクも精一杯声援を送る。たこルカの踏ん張りのおかげでミクとの距離が縮まってきた。
あと2メートル…、1メートル…、50センチ…、もう少しというところでルカは目を瞑って手をぎゅっと握りしめ、何かに縋るように祈りだす。

「きゅー!!」

その願いが届いたのか次の瞬間、たこルカはミクのもとへと飛び込んでいた。嬉しさのあまりわあっと歓声が上がる。
そんな騒ぎが気になってルカはおそるおそる目を開く。びくびくとしながらもルカが目にした光景はミクとたこルカが仲良く手をつなぎながらくるくると回っていると実に楽しそうな様子だ。

「たこちゃん、すごーい!」
「きゅっきゅっきゅーう!」
「ルカちゃーん!やったよぉ!」
「きゅーうっ!」

端から見ても分かるくらいにミクとたこルカは気分も高揚としており、おまけにルカの方へぶんぶんと手を振り回しているあたり、まだまだミクとたこルカの興奮は冷めそうにない。
すると今度はたこルカがルカの方へと宙を楽しそうに舞っていく。そんなこんなで二人の間をたこルカが舞うのはまだまだ続きそうだ。
緑の髪の母親は、そんな光景をにやにやと頬を緩めながら見守っていた。


「ミクー、ルカー?」

しばらくすると、二人を探す大きな声が聞こえてきた。桃色の髪の母親が二人を探しに庭へと出てきたらしい。
その声に気づいたのか、緑の髪の母親が手をひらひらと振り手招きをする。
やけに楽しそうに顔をニヤつかせたことを不思議に思ったのか、桃色の髪をたなびかせて彼女は多少あきれた様子でもう一人の母親のもとへと近づいていく。

「どうしたのよ。やけに機嫌がいいわね」
「あれ見てみなよ」

彼女が指差した先で、ミクとルカが楽しそうにじゃれ合っていた。たこルカが二人の間を楽しそうに飛び回っている。いや、投げられているといった方が正しいべきか。
ぽんぽんとキャッチボールのようにたこルカが行き交っていて、その娘達の楽しそうな表情を見るやほんのりと唇を歪めて思わず笑みがこぼれてしまう。

「楽しそうね」
「でしょ!?ところでさ、二人に何か用?」
「あー、そろそろおやつの時間だから何がいいって聞きたかったんだけどね」

嬉々として子供たちを見つめていた緑の彼女であったが、桃色の彼女の言葉に一瞬だけ表情が硬くなる。
何やら考え込むような仕草をした後、おもむろに畳んだ洗濯物の中から一枚のシーツを取り出していた。

「まあ、大丈夫なんじゃない?」
「…?」
「とりあえず見てなって」

そうは言うものの、訳が分からず桃色の彼女が首を傾げてしまうのも無理はないかもしれない。
とはいえ何か思うことがあるようで、柔和な笑みを浮かべている彼女の言うとおりに桃色の母親は二人の愛娘を見守ることにする。
よくよく観察してみれば、どうやら二人と一匹の間で最高潮が近づいているらしい。

「いっくよー!」
「きゅうう!」

二人の母親が見守る中、ミクが思い切り振りかぶって、ポーンと力の限りたこルカを放り投げる。ミクの力を一身に受けて、たこルカはルカに向かって一直線に飛んでいた。
その表情はいつになく本気で全力であることが伝わってくるようだ。その想いを受け止めようとルカは両手をいっぱいに広げて待ち構えていた。

「きゅっきゅっきゅ!」

投げられた勢いそのままにルカの胸の内に飛び込んで、たこルカは楽しそうにはしゃぎだす。ルカもまた釣られて楽しそうに笑っていた。
もちろんそのまま終わるわけでもなく、たこルカを挟み込むようにミクが勢いよく飛び込んでくる。
もしかしたらミクもまた、たこルカと同じようにルカに受け止めてほしかったのだろうか。

「たこちゃん、ずーるーいー!ミクもルカちゃんにぎゅーってする!」
「きゅうっ」

きゃっきゃと二人と一匹の間ではしゃぐ声が辺りに響き渡り、気の済むまでじゃれ合っているようだ。
その光景を和やかな表情で見つめながら、二人の母親は顔を見合わせる。
桃色の彼女がクスクスと笑いだし、緑の彼女もそれに応えるようにニカッと笑い出す。
二人はしばしの間、子供たちの和やかな姿を眺めていたが、それもふとした出来事で終わりを告げる。

「ルカちゃん、おねむなの?」
「きゅう?」

ミクの心配そうな声で気が付いて、ルカを見ればうとうとと寝ぼけ眼で頭を上下に揺らしていた。さっきまで元気に遊んでいたのがウソのように今にも眠ってしまいそうだ。

「ルカちゃん、まだ眠っちゃだめだよ?家の中でおねんねするの」
「きゅうう」

ルカが倒れてしまわないように、ミクとたこルカで力を合わせてルカを支えるが、子供の力では限界のようだ。
ミクとたこルカの様子に二人の母親は慌てて娘のもとに駆け寄り、ルカを抱え込む。
抱き上げられたルカはというと気持ちの良さそうに寝息を立てていた。
可愛らしい寝顔に安心して、ルカを畳みのある和室へと運んでいく。その際畳んだばかりのシーツをそっとルカの上にかければ、くすぐったそうに身体を震わせる。

「きゅうぅ…」
「ふわあぁ…」

そんなルカをじっと見つめていたら眠気を移されてしまったのか、ミクとたこルカも大きく欠伸をしてしまう。もちろん、遊び疲れてしまったのもあるのだろうが。
眠たそうに瞳を擦りつつ、気が付けばルカのシーツへと潜り込んでいた。いつの間にやら寝息を立てており、どことなく幸せそうな寝顔だ。

「おやすみミク、ルカ、たこちゃん」

仲良く二人と一匹が並んでいるのを温かい眼差しで見つめながら、緑の母親はとても優しい手つきで娘の頭を撫でていく。
天使のような寝顔を堪能してから、桃色の彼女の方へと向き直っていた。

「さてと、この子たちも寝ちゃったし、どうしようか?」
「そうね、せっかくのおやつも用意する必要なくなったしね」
「せっかくだからさ、久しぶりに二人でのんびりお茶でもしない?」

とりあえずお茶の時間を無駄にする気はないらしい。『二人で』というところを強調するあたりデートを楽しむつもりのようだ。
緑の彼女がそっと手を重ねてきたのに反応して、桃色の彼女もまた唇を歪めていく。

「そうね、たまにはこういうのも悪くないわね」

そう言ってふふっと微笑むと緑の彼女の手に指を絡めてきた。まんざらでもない様子に二人の心音は少しだけ加速する。
出会ったころのような胸を締め付ける感覚とは違うけれど、それが懐かしく思える心地よい心音が二人を穏やかな雰囲気で包み込む。

「でもその前に、この子たちの寝顔を堪能してから行きましょ」
「そうだね」

二人の母親の穏やかな雰囲気などつゆ知らず、子供たちは相変わらず幸せそうに眠ったままだ。
二人の時間までもう少しと、二人の母親は娘たちに慈愛に満ちた眼差しを送っていた。







ルカさん誕生日おめでとうございます。誕生日とは全く関係ありませんが、たこルカをポンポンと投げるちびっこ達を書きたくて仕方なかったので。

小ネタ(VOCALOID・extra・クリスマスに幸福を届ける不思議なピアノ・ネギトロ)

巡音ルカは内心とても焦っていた。
12月24日、時間はもう23時を過ぎている。暗い夜道の中をカツカツとしたヒールの音が辺りに甲高く響き渡っていた。
一歩一歩が速い間隔なのは慌てていることに他ならない。
もちろん今日がこんなことになるという予定ではなかった。ミクと二人でささやかにクリスマスを祝おうということになっている。
多分、家ではミクがルカの帰りを待っているはずだ。この日のためにとお互いに予定を開けていたというのに、運命の神様があざ笑うような仕打ちに泣いてしまいそうだ。
一言でいえば運が悪かった。ある仕事が予定を大幅に遅れてしまったために今の今までずっと仕事に追われていた。
当然ながらルカに落ち度があるというわけでもないのだが、ルカは自分自身を責めてしまう。申し訳ないという気持ちで心が締め付けられたようでとても息苦しい。
急ぎ足で帰路に着く中、ルカの手には手荷物が一つ。この日のためにと用意したクリスマスケーキだ。
ミクと二人で街の中を歩いていた時に偶然見つけ、一目惚れだったか勢いで予約してしまった。
ピアノの形をしたクリスマスケーキ。ミクと一緒にかわいいかわいいと騒いで微笑み合っていたのが脳裏を過ぎる。

「ミク…」

その時のミクの笑顔が何度もよみがえってきては霧のように消え去っていく。
泣いているのか、怒っているのか、そんなミクを考えるだけでも気が滅入ってしまいそうだ。
そんな時間も自分の住んでいる建物が見えてきたところで終わりを告げる。幾重にも時が重なって感じられてしまったのはミクの笑顔のためにと願っていた時間が打ち消されたことによる絶望への表れであろうか。
マンションの一室に明かりが灯っている。ルカとミクの住んでいるところだ。

「…起きてたんだ」

ルカは誰にも聞こえることなくひとりごちて、その一室をじっと見つめていた。
まだ起きているということはルカのことをじっと待っているのだろう。その事実に気づいた時にはルカは駆け出していた。
ミクに怒られるかもしれない。泣かれてしまうかもしれない。しかし、それ以上にミクを悲しませるのは何よりもルカ自身が許せない。

「ただいま!ミク、ごめん!」

勢いよく玄関を開けて、ミクがいると思しき部屋―リビングに半ば飛び込むような形で入り込むとソファーの真ん中に一人でミクはうなだれていた。
いつもよりも小さく、弱々しく見えてしまうのは気のせいではないはずだ。
とにかく、ミクに元気を出してもらうなら思い切り怒られようと、気の済むまで泣いて吐き出してもらおうとかまわないと、ルカはミクの前に立つ。

「ミク、ホントごめん。せっかく約束してたのにこんな形で破っちゃって」

ルカはひたすらに頭を下げるが、謝られた本人に反応はなく、ピクリとも動かない。
何かしら反応があると思っていただけに、ルカにとってとても堪えた。せめて何かしら罵倒されてた方がまだマシだ。
ショックでミクの膝の上に崩れ落ちて、思わず塞ぎ込んでしまう。

「ごめん、ごめんねミク」

その日、何度つぶやいたかわからない、愛しき人の名前を、ついには嗚咽混じりで声に出せば、不意に上の方から声がかかってきた。

「…ルカ?」

涙で顔をくしゃくしゃにしているにもかかわらず、ルカはハッと顔を上げる。涙で濡れた表情はみっともなかったかもしれないが、それでも愛しき人の声には反応せずにはいられなかった。

「…ミク!」

先ほどまでの悲しみを振り払うかのように、勢いよく顔を上げたルカの瞳に飛び込んできたのは、寝ぼけ眼を擦りつつ、大きく伸びをしているミクの姿であった。
どうやら今まで静かに眠っていたらしい。さっきまでの自分が見事な間での独り相撲ということに気が付いて、ルカは顔に血が昇っていったのを自覚していた。

「ルカ?顔がものすごく赤いよ?」
「…なんでもない。なんでもないから。それよりもミク、遅くなってごめん」
「え?」

上手く事態が呑み込めないらしく、ミクはきょとんとしている。とはいえ、時計に視線を伸ばしたところで慌てふためき立ち上がっていた。

「もうこんな時間!?」

ようやくルカが謝ってきたわけを理解して、ミクはふと視線を落とす。
そこには、罪悪感で今にも押し潰されそうなルカが目に涙を溜めていた。もしかしたら許してもらえるまで、ずっと謝り倒しかねない勢いだ。
と同時に、テーブルに置かれた包みに気が付く。形からして例のクリスマスケーキなのだろう。
そうなれば、ミクのやるべきことは一つだ。

「ルカ、顔を上げてよ。料理冷めちゃったけど、ルカがこんなんじゃ一緒に祝えないじゃないよ」
「…いいの、ミク?」
「いいもなにもルカは約束を覚えてくれたんでしょ?だったら今からでも遅くはないよ」

そう言って見せてくれたミクの笑顔はあの時と全く変わらない。
怒られたり、泣かれたりすることを覚悟していただけに、この笑顔はまさしく不意打ちであった。
そのまますがるように抱き着いて、ルカは顔を押し付ける。さっきまでの不安で押しつぶされそうなのと、今ルカの胸の内から溢れんばかりの喜びが入り混じった表情はなんとなくミクに見せたくはなかった。
普段はあまりルカに甘えてもらうこともないため、ミクはなんだか新鮮でこそばゆい気分だ。ルカが可愛くて仕方ない。

「ルカ、そろそろいい?」
「そうね、心配かけてごめん」

一瞬の間をおいて、「そしてありがとう」と消え入りそうな声がミクに届く。ミクにとってはまんざらでもなさそうで、終始ご機嫌で料理を次々と温めていた。
そして、遅ればせながらも美味しそうな料理がテーブルに並べられていく。
最後にピアノの形をしたクリスマスケーキを数々の料理の中心において、二人はソファーに身体を埋めていた。

「やっぱりすごくかわいい!なんか食べるのもったいないね!」
「そんなこと言っても、そんな顔じゃ説得力に欠けるわ」
「ルカってばひどい!」

確かに子供のように瞳を輝かせて、今にも齧り付きそうな表情をしてればルカの言葉も納得できるであろう。
不満そうにルカを睨み付けるミクにクスクスと微笑み、ルカはシャンメリーをそれぞれのグラスに注いでいく。

「しかし、こう夜遅くだとサンタクロースも悪い子扱いして、来てくれないかもしれないわね」
「あー、うん。でも、ルカと一緒にいられるならサンタさんには諦めてもらおう」
「えっ」

半ば冗談のつもりで言ってみたが、ミクの意外な返答にルカの鼓動が不意に高鳴る。
どういう意味なのだろうと聞いてみようと思えば、すでにミクがこちらに顔を近づけてきていた。
気が付いた時には唇と唇が軽く触れあい、ルカは目を丸くしてしまう。
事態を理解した瞬間、血が沸騰してしまいそうなくらい心臓がバクバク鳴り出してしまうのを自覚する。

「えへへ、メリークリスマス」

悪戯っ子のようなミクの笑顔は嬉しいやら恥ずかしいやら悔しいやらでとても複雑だ。
叫びたい気分ではあったが、そんなことをすればミクの思うつぼのような気がしてならない。

「ああ、もう、メリークリスマス」

赤ら顔でやけくそ気味に言い放って、ミクとルカはグラスを重ね合わせる。
甲高い小気味のいい音がリビングの響き渡り、二人のクリスマスを祝う合図となる。
その日にあったつらい出来事を忘れるくらい、楽しいおしゃべりの時間が始まっていた。
お互いの温もりが伝わる距離で二人寄り添って過ごすクリスマスは二人にとって安らぎの時間となり、自然と表情も緩くなっていく。

「そうだ、後でケーキ食べさせっこしようよ」
「そんなこと言って、私がずっとケーキを食べさせることになるんじゃないの?」
「そんなことないもん!わたしだってルカに食べさせてあげたいんだから!」
「こんな風に?」

言うやいなや、ルカはいつの間にかミクの唇を奪っていた。お返しといわんばかりにミクの柔らかい唇を堪能する。ちょうどよく反撃ができて、ルカはなんだかすっきりした気分だ。
一方で、まさか反撃を受けるとは思っていなかったらしく、ミクは耳まで顔を真っ赤にしていた。

「私を甘く見ているからよ」
「ルカのいじわる!」
「あら、この口が言っているのかしら?」

いつの間にやらじゃれ合いが始まり、リビングを和んだ空気が包む。
軽いケンカは二人にとって愛情の一種のようなものだ。数分程度ですぐに治まり、再びいつもの時間の流れに戻っていく。
そんなときに、ミクは先ほどのやり取りが気になっていた。当然ながら、意識するなという方が無理な話なのかもしれない。

「ところでルカ、ルカをあんなふうにしちゃってもいいの?」
「さあね、ミクの好きなようにすれば?」
「…やっぱりルカはいじわるだ」

拗ねたミクの表情で、急におかしさがこみ上げてきて、ルカの笑い声が部屋を覆い尽くしていた。つられてミクの笑い声も重なっていく。
結局のところ、騒ぎはまだまだ続くようだ。意識してないと言えばウソになるが、楽しみは最後まで取っておくのも悪くない。
二人の視線の先のピアノのクリスマスケーキは不思議と二人に幸せを届けているようだった。






ミクさんのピアノのクリスマスケーキで何か書いてみようと思っていたらこんなのが出来上がってました。
書いてる本人が何書いてるのか一番わかっていないという。
二人のこの後の出来事はご想像にお任せします。

 | HOME |  »

プロフィール

ねむひ

Author:ねむひ
百合スキーな社会人やってます。


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


お品書き

二次系文章 (77)
正しい勉強の仕方?(QMA・ユリマラ) (6)
魔法学園へようこそ!(QMA・ギャグ) (4)
ルキアサンタがやってくる(QMA・ルキマラ) (8)
まらりやせいちょうにっし(QMA・シャロマラ) (4)
星に願いを(QMA・ユリマラ) (2)
星に願いを ふたつめ(QMA・ユリマラ) (3)
星に願いを みっつめ(QMA・ユリマラ) (3)
高村姉妹の休日(スズナリ) (5)
歌えない歌姫と不思議な感情(ボーカロイド・ミク、マスター、メイコ) (8)
恋する歌姫とネギ色リップ(ボーカロイド・ネギトロ) (5)
愛しき歌姫に捧げるコイノウタ(ボーカロイド・ネギトロ) (8)
恋しき歌姫に送るあいのうた(ボーカロイド・メイマス)※R-15閲覧注意 (6)
生まれた日に刻む幸せの鼓動(ボーカロイド・extra、ネギトロ) (5)
バレンタインにまごころを(ボーカロイド・extra、ネギトロ) (4)
キツネビトにまつわるとても優しいお話(ボーカロイド・extra、ネギトロ) (6)
創作系文章 (8)
森と月と不思議な人達 (8)
捧げ文 (10)
VOCALOIDとお留守番(ボーカロイド・メイコ、ミク、マスター) (4)
VOCALOIDと思い出話(ボーカロイド・メイマス) (6)
小ネタ(VOCALOIDとマスターさん) (8)
小ネタ(VOCALOID・extra) (10)
小ネタ(QMA) (0)
小ネタ(NOIR) (0)
小ネタ(その他) (0)
頂き物 (3)
お知らせ (3)

検索フォーム


RSSリンクの表示


リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


QRコード

QR

来訪者数


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。