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空と星と私達

≫生まれた日に刻む幸せの鼓動(ボーカロイド・extra、ネギトロ)

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生まれた日に刻む幸せの鼓動(1/5)

一月三十日。巡音ルカの誕生日である。この日の朝もいつもと変わらず、ルカは穏やかに差し込む朝日を背景にゆっくりと目を覚ましていた。
ルカを照らす薄い光が瞼を刺激して、頭の中を次第にはっきりと意識を覚醒させてゆく。眠気覚ましに身体を伸ばし、寝ぼけ眼を擦る。外はまだ静かで、もう少し布団に潜りたい気分だ。

「…起きないと」

このまま惰眠をむさぼるのも悪くなかったが、自分の誕生日くらいメリハリの効いた一日にしよう。そんなことを考えながら、ルカはベッドから降りていた。
寝間着に手をかけて、静かな衣擦れの音とともにいつもの衣装とヘッドセットを手に取る。まずは衣装の袖を通して鏡に向かう。そのまま身だしなみをチェックして鏡に映った自分と向かい合っていた。
多少は愛想よく笑顔を浮かべられればいいと思う。自分の家族の顔を次々と浮かべながら、ルカは静かにため息をつく。自分でも表情に乏しいと自覚できるのが悩みの種だ。

「でも、そんなことを言ったらみんなに笑われてしまうかもしれませんね」

もちろん、家族にそうやって笑う人物はいない。そのことは分かっているのだが、ルカは何とはなしにひとりごちて、今度はブラシを手に取り椅子に腰かけていた。そのまま丁寧に髪をとかしていき、よく表情が豊かであると言われる一人の少女を思い出す。
初音ミク。ルカより先に生まれて、それなのに年下である姉妹という不思議な関係。そのせいか、やたらと世話をかけてくる。多分、本人は妹のようにかわいがっているだけなのかもしれない。
そのことがルカにミクのことを意識させていた。彼女と顔を合わせるたびについつい目で追ってしまう。これがミクに恋をしていることに気づくまで大して時間はかからなかった。

「さて…と、いきますか」

ゆっくりと時間をかけた髪の手入れも終わり、ルカはヘッドセットを着ける。ルカは小さくため息をついて、ドアに手をかけていた。
やはり、ミクのことを考えれば苦しくなる。髪をとかしている内も何度もミクの表情が浮かんでくる。もしかしなくても相当の重症なのかもしれない。
とはいえ、いつまでも悩んでいる場合ではない。せっかくの誕生日なのだ。憂鬱な気分を振り払って、ルカはいい一日を過ごせようにと願って部屋を飛び出した。
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生まれた日に刻む幸せの鼓動(2/5)

「ルカ。おはよう」
「おはようございます」

リビングに姿を現せば、すでにメイコが朝食の準備を終えていた。ルカはすかさず挨拶を返して、程よく焼けたトーストを前に自分の席に着く。甘いにおいが漂ってきて、はちみつを塗りこんでいることに気が付いた。

「今日はルカの誕生日だったわね。誕生日おめでとう」

瑞々しく鮮やかに彩られたサラダを片手に、メイコがにこやかに話しかけてくる。ごく自然に話しかけてきたものだから、言葉がしみ込んで来るまで多少の時間を要した。

「覚えてくれていたんですか」
「当たり前じゃない。この日のために腕を振るおうと考えていたんだから」

ハトが豆鉄砲を打たれたようにきょとんとしたルカをよそに、メイコはさばさばとした笑顔で腕を振り上げたポーズをとって、やる気にあふれている様子だ。
当然ながら、このことが嬉しくないはずもなく、ルカは深々と頭を下げていた。

「…メイコさん、ありがとうございます」
「いいのいいの!わたしはルカを祝いたいだけなんだから。それでルカ、ルカは何を食べたい?」
「あの、いいんですか?」
「もちろんよ!遠慮することなんてないわ!」

メイコの作る料理はどれも絶品である。よくいろいろと料理を教えてもらうが、ところどころ細かい気配りをしているのはさすがというしかない。食べてもらいたい人がいると気合が入るというのはメイコの談だ。
それまで言われてここで甘えないというのは実にもったいない話である。

「それじゃあ、魚介類を使った一品ものをいくつかお願いします」
「オッケー、任せなさい。それでね、この前頂いためずらしいお酒があるんだけど一緒に飲まない?」

やはりというか、メイコの一番の目的はそれだったようで、子供のようにきらきらと瞳を瞬かせていた。メイコのこういう自分に正直なところをルカは気に入っている。ルカはつい苦笑いを浮かべながらもなんだかんだで首を縦に振っていた。

「もちろんいいですよ」
「なになに、何の話?」
「あ、カイト。別に何でもないわよ。もう終わったし」
「そう?まあいいや」

和やかな雰囲気の中、カイトが姿を現してきた。しかし、割り込んできたのは最初だけで、それ以上は絡んでくることもなくさっさと席に着くとトーストに齧りついていく。
とりあえず、伝えたいことは伝えたし、メイコも朝食にあやかろうと席についていた。

「そういえば、今日はルカちゃんの誕生日だったよね。おめでとう」

のんびりとした朝食の中、ふとしたタイミングでカイトが祝福の言葉を告げてくる。意外そうな表情で見つめていたのはメイコだ。

「へえ、カイトにしちゃよく覚えてたじゃない」
「失礼な。僕だって家族の誕生日くらい覚えているさ」

何気にけんか腰に聞こえるが、二人にとってはじゃれ合いも同然だ。それが分かっているからメイコの挑発を軽く受け流して、カイトは余裕の笑みを浮かべている。
互いに信頼できているからこそできるこの光景を、ルカはうらやましく思っていた。二人の姿を自分とミクに重ね合わせてしまい、思わず赤面してしまう。

「そうだ。ルカちゃん用に誕生日プレゼントを用意したんだけど、いる?」

メイコとのじゃれ合いを切り上げて、カイトは冷蔵庫に向かいつつ声をかけてきた。なんだか嫌な予感がして、ルカは身震いしてしまう。気づいた時には深々と頭を下げていた。

「すみません。丁重にお断りさせていただきます」
「え、まだ何をあげるかなんて言ってないよ?」
「その、冬にアイスはちょっと…」

驚いた表情をしているあたり、本当にアイスだったのだろう。さすがにメイコもこれにはあきれて、盛大にため息を吐いていた。メイコは顔を険しくして、ずいっとカイトに詰め寄っていく。
いつの間にやらルカを挟んで、壮大な舌戦の鐘がなろうとしていた。

「カイト!あんたこの寒い冬に何考えているのよ!」
「メイコこそ何言っているのさ!寒い冬だからこそ食べるアイスがロマンじゃないか!」
「そんな性根の腐ったロマンなんてわかりたくもないわ!」

二人ともぎゃあぎゃあと騒いではいるが、瞳に憎しみの炎がともっていないようだ。相変わらずのじゃれ合いに、ルカは声を出して笑う。
ケンカするほど仲がいい。その言葉を体現している二人の前で笑いをこらえるのは酷というものだ。

「お二人とも仲がよろしいですね」
『…どこが?』

二人の声が重なり合い、それがとても可笑しくてついにルカは堪え切れず、笑い声をリビング中に響かせていた。

生まれた日に刻む幸せの鼓動(3/5)

ようやくメイコとカイトのけんかという名のじゃれあいから解放されて、ルカは廊下を歩いている。結局二人の決着はつかずじまいであったが、改めて二人における信頼関係の深さを思い知らされていた。
ごちそうさまでしたと別れを告げて、今はルカ一人だ。さびしいというわけではないけれど、あのやり取りを見た後ではやはりひと肌が恋しくなる。

『ルッカ姉~!』

そんな中、次に姿を現したのは鏡音リンとレンの双子の姉弟だ。二人は勢いよくルカに抱き着いてきて、ルカの腕を取ってくる。この二人もミクと同じように不思議であやふやな関係だったはずなのだが、今ではそれを感じさせずルカを姉と慕ってくる。
ルカもまた二人を妹や弟のように可愛がっていた。

『ルカ姉、お誕生日おめでとう!』
「ありがとう、二人とも」

ルカはゆっくりと腰を下ろすと、二人の視線の高さに合わせて静かに微笑みかける。ルカとばっちりと目が合って、二人はなんだか照れくさそうな様子だ。
この様子に、先ほど感じていたさみしさもだいぶ和らいでくる。

「ルカ姉、誕生日プレゼントとか何か欲しいものとかある?」
「俺たちにできることがあれば何でも言ってよ!まあ、お小遣いそんなにないからできることは少ないけど」
「レン!ルカ姉、レンの言ったことは気にしなくていいからね」

リンが慌ててレンを窘めて、申し訳なさそうに上目遣いで見つめてくる。レンはといえば失言だったと云わんばかりに表情を強張らせ、しょんぼりと項垂れていた。
とはいえ、二人に悪気がないのは分かっているし、好意も嬉しかったので、そっと二人の頭に手を伸ばして微笑みかける。

「ありがとう二人とも、気持ちだけで十分嬉しいわ。レンも気にしなくていいからね」
「でもルカ姉!」
「俺たちルカ姉に感謝の気持ちとか伝えたいし!」

なおも食い下がる二人に、ルカは心の底からじんわりと温まっていくのを自覚する。愛されるというのはこれ程にも心温まるものかとルカの頬は緩んでいた。
リンとレンの真剣な眼差しは今もなお続いている。こうまでされてはルカも折れてしまうしかないだろう。

「…わかったわ。とりあえずマッサージでもお願いしようかしら?」
『うん!』

二人ともぱあっと表情を輝かせると無邪気な笑顔でルカを引っ張っていく。そのまま和室へと通されると、早速レンの指先がルカの肩へと伸ばされていた。同時にリンの指先がルカの指の付け根を解してゆく。
そしてそのまま小一時間ほど、ルカは二人に身を委ねることになる。後にリンとレンのマッサージが評判を呼んで、月一でルカはおろか、メイコやカイトまでもお世話になるのはまだ見ぬ未来である。

生まれた日に刻む幸せの鼓動(4/5)

リンとレンから解放されて、ルカは思い切り体を伸ばしていた。まさかあそこまで気持ちいいものだとは思ってもおらず、ついつい眠気に身を任せてしまった。
二人にお礼を言って部屋を後にしたころには、陽も十分な高さとなっており、昼食をとるためリビングに向かう。
そこにはメイコをはじめ、リンやレン、カイトがいたが、ミクの姿は見当たらない。聞けば朝早くから仕事でかけており、まだ帰ってきてないという。
どうしても抜け出せられない仕事だったらしく、仕方ないとルカは嘆息を吐いていた。一番祝ってほしい人がいないのは残念であったが、その分みんなが祝ってくれる。だから、ここはひとまず楽しもうとおしゃべりに興じていた。

昼食を終えて、ルカは自室にてくつろいでいる。家族全員での談笑はとても楽しく、みんなが盛り上げてくれたことには感謝の言葉も見つからない。
これでミクがいることを望むというのは贅沢というのだろう。今は家族全員が最後の仕上げにとご馳走を用意してくれている。ルカは何もしなくていいと言われているので、暇を持て余していた。

「ミク…」

名前を呼べば会えるというわけではないけれど、今はミクに会いたくて会いたくて胸が張り裂けそうになっている。
ただ一言ミクに『おめでとう』と言ってもらいたい。いや、一瞬でいい。隣にいてほしい。ミクの存在を感じていたい。そんな感情がルカを支配していた。

「ミク」

もういちど愛しい人の名前を呼ぶ。これで会えるなら何度でもミクの名前を叫んでも構わない。

…ダダダ。

そう思った矢先、廊下をかけてくる音が聞こえてくる。まさかと思った。しかし、足音は次第に大きくなり、ルカの部屋の前でぴたりと止まる。期待と不安で渦巻いて、ルカの心音は加速していく。

「…ミク?」

もう一度、もう一度だけルカは愛しい人の名前を呼んでいた。その声に反応するように、勢いよく扉が開いていく。盛大な音とともに扉の先には愛しい人―初音ミクが姿を現していた。

「ルカ、待たせてごめん!お誕生日おめでとう!」

荒い息もそのままにミクは部屋に入ると、ルカの前に立ちはだかっていた。見ればところどころ衣服が乱れており、二つに分けて伸ばした髪も跳ねている。おそらく、全力で駆けてきたのは想像に難くない。

「あ、ありがとう…」

震えた声で涙を浮かべて、ルカはできる限り、精一杯の笑顔を見せる。くしゃくしゃとした笑顔だったけれど、ミクには十分すぎるほど伝わっていた。
そのままルカの隣に腰を下ろして、まじまじと見つめていく。そして、何も言わずにルカを寝かせて、自分の膝の上にルカの頭を乗せていた。不意打ちでミクに膝枕をされたことに、ルカは戸惑いを隠せない。

「ミク?」

ミクの優しい笑顔に見下ろされて、ルカの頬が見る見るうちに紅潮していく。こんなに真剣に見つめられては視線を逸らすこともできない。先ほどまでの荒かった息も鳴りを潜めたところで、ルカは気になっていたことを口にする。

「ミク、あのね、普通こういうときって立場が反対だと思うんだけど」
「うん、そうかもね。でも今はこうしたいの。ルカの誕生日でしょ?ルカに甘えてもらいたいなって」

そう言うとミクは慈愛に満ちた表情でルカの髪を流していた。さらさらとした感触がミクの手になじむ。突然のことだったこともあり、ルカはされるがままにされてばかりだ。
二人を包む穏やかな時間は、とろけるような幸せで満たしてくれる。このまま静かな時間に身を任せるのも悪くないが、ミクに気を使ってもらうのも気が引ける。
そう思って、ルカが身を起こそうと手に力を込めたところ、不意に柔らかい感触がルカの唇に伝わってきた。ミクの唇だ。

生まれた日に刻む幸せの鼓動(5/5)

「…!」

そのことが認識できるまで、ルカの意識は真っ白になってしまう。
ミクの唇。ミクの吐息。ミクのとろけるような視線。ミクのすべてがルカを覆い尽くし、ルカの身体から力が抜けていた。
先ほどまでルカを支配していた穏やかな鼓動も、今や激流のように激しく高鳴っている。しばらくは動悸が収まるはずもなく、お互いを求め合っていた。
やがてお互いの姿を確かめるように身体を離して、ルカはゆっくりと起き上がる。ミクがにんまりと満面の笑みを浮かべているのを見て、かあっと赤らめた顔をする。恥ずかしさのあまり、思わず顔をそむけてしまっていた。
そんなルカの様子がとても可愛らしくミクは心からの笑顔を浮かべる。

「ルカ、お誕生日おめでとう」

今度は落ち着いた様子でミクはルカを見つめていた。ルカがちらっと視線を送れば、ミクは優しい眼差しを送っている。そのことがますますミクのことを意識させて、ゆでだこのように真っ赤な顔になってしまった。
未だに真っ白になっている頭の中で、ルカはなんとか言葉を紡ぎだそうと、とにかく思いついた言葉を放っていく。

「もしかして、これが誕生日プレゼントだったりするんですか?」
「ううん、私がルカにキスしたかっただけ」

プレゼントはちゃんと用意してあるよと脇に置いてあった小さな包みを取り出して、ミクは無邪気な笑顔でそれを差し出していた。赤と白のストライプに赤いリボン。『Dear ルカ』とメッセージカードを添えられている。
ルカの思いもよらぬ一言で返ってきたミクの意外な言葉はルカにさらなる衝撃を与えていた。今日という日が夢ではないかと頬をつねりたい気分である。

「開けていい?」
「もちろん」

ミクに促されてルカは一思いに包みの中身を開けると、中から一瓶のマニキュアを取り出した。ミクと同じ緑のマニキュア。ハッと顔をあげれば、ミクがふんわりと頬を緩めている。

「ルカに似合うかなって思って。たまにはわたしのことも思い浮かべてほしいな。…なんてね」
「あの、どうしてここまで…」
「まだ分からない?ルカって思った以上に鈍いんだね」

まだ混乱の解けてないのか、きょとんと目を丸くしているルカに、さすがのミクもクスッと笑い声をあげていた。そしてすぐさまルカへと顔を寄せていく。

「わかった。何度でも教えてあげる」

そう言うと、再びミクはルカに唇を重ねていた。今度は時間をかけずに、ただ触れるだけの優しいキス。すぐに見つめ合うことのできる距離まで離れて、ニカッとさっぱりとした笑顔になる。

「ルカが好き」

とてもシンプルなたった一つの言葉。それだけで、ルカの心はゆらゆらと揺れ動く。言葉通り何度も聞かせてほしいと願うのは、ルカにとってわがままなのだろうか。
まだ落ち着いていないのか、浅く、早い呼吸でルカは赤ら顔のままだ。ミクもまた血色がよく、程よく染まった頬を見せていた。

「ルカってばなかなか気づいてくれないからさ、今日頑張ってみようって思ったんだ。それでね、ルカの手、塗っていい?」

口早にまくし立てて、ミクはルカの手を取り問いかけてくる。ミクもまた心臓をばくばくとさせながら震えていた。もちろん、一世一代の告白を仕掛けておいて平気でいられるはずがない。
カタカタと震えるミクに気がついて、ルカはようやく落ち着きを取り戻す。どれだけ早く生まれていようと、どれだけ長く場数を踏もうと、目の前にいるのは自分と同じただの女の子だ。
そう思うと、急に肩の力が抜けてきた。余裕の生まれた表情でミクを真正面からとらえて、精一杯の笑顔を向ける。

「お願いね。ミク」
「うん!まかせてよ!」

ついさっきまで必死だったのがウソのようにいつもの調子に戻り、ミクはマニキュアの瓶を取るとルカの指先に丁寧に塗りこんでいく。
その様子をうっとりと眺めながら、ルカは言いたいことを口に出すべく大きく息を吸い込んでいた。ミクはもくもくとルカの詰めを塗りこんでいる。その姿はとても楽しそうで、見るだけでルカは幸せな気分だ。
最後の小指を塗り終えたところで、ルカは静かに口を開いていく。

「私もミクが好き」
「えへへ、ありがと」

顔をあげたミクはにへらといつになく幸せそうで、頬も緩みっぱなしだ。二人の心臓を流れていた激流も、今は静かで心地よい鼓動を奏でている。
お互いお揃いに飾った手を重ね合わせて、見つめ合うと、どちらともなく唇を重ねていた。ドキドキと最高潮まで高まったキスもいいけれど、こういう落ち着いた時の中での安らいだキスも悪くない。
二人は唇を重ねたまま、指を絡ませていく。きゅっと握られた手の温もりが伝える小さな鼓動は幸せな時を刻んでいた。

「改めてお誕生日おめでとう」
「ありがと、何度言われても嬉しいわね」

いったん唇を離して、二人はお互いにやさしい眼差しを向けている。時が経つのも忘れてしまいそうだ。時計を見ればすっかり日も暮れる時間を指していた。
耳を澄ませばメイコの指示する声が聞こえてくる。おそらく、ルカを祝う準備が佳境に来ているのだろう。

「もうすぐみたいだね。行こうか」
「ええ、それでねミク…」
「うん、わかってる。終わったらもう一回祝わせてね?」

ルカの言わんとすることを理解して、ミクは悪戯っぽい笑みを浮かべる。そのことが伝わったのか、ルカは顔を真っ赤に染めていた。
ミクは満足した様子でルカの手を握り、部屋を後にする。ルカはこれから起こる出来事にわくわくと逸る気持ちを抑えながら、ミクの後をついて行っていた。








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