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空と星と私達

≫2013年01月

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小ネタ(VOCALOID・extra・おひるねぎとろ 四度寝目・ネギトロ)

「ルカちゃん、あーそーぼー!」
「きゅー!」

とある昼下がりのこと、ミクとたこルカがルカを遊びに誘ってきた。
元気いっぱいのミクの笑顔にルカも当然のようにこくんと首を縦に振ってくる。端から見ても分かりやすいくらいに一人と一匹は瞳を輝かせて、ルカの手を取ると仲良く外へと歩きだしていた。

「お、ミク、ルカ。どうした?」
「えとね、みんなで一緒に遊ぶの!」

家の庭へと出てみれば、緑の髪の母親が洗濯物と向かい合っていた。丁寧に洗濯物を畳む仕草が子供たちから見たら、洗濯物と格闘しているように見えていたかもしれない。
二人と一匹のもの珍しい眼差しに気が付いて、緑の髪の母親は苦笑いを浮かべてしまう。

「ほら、ちゃんと見てるから、遊んできな?くれぐれもこっちまで乗り込んでこないように」
「はーい!」
「きゅうー!」

元気のよい返事に彼女は満足そうに頷いて、再び洗濯物へと向き合っていく。
そんな彼女を後目に、ミクとルカは彼女の視線の届く範囲に陣取ると、少しずつ距離を開けていった。
子供たちが何をするのだろうと、母親は好奇心からつい手を止めてしまう。興味深く眺めていれば、ミクが頭の上に乗っかっているたこルカを掴んで振りかぶると、思い切り投げ飛ばしていた。

「ルカちゃん、いっくよー!」
「きゅー!」

ミクの大きな掛け声とともに、勢いよく宙に舞ったたこルカはとても楽しそうにルカのもとへと飛び込んでいく。
綺麗な放物線を描くと、勢いそのままにルカの胸元へと飛びついて、キャッキャッとはしゃいでいた。すりすりと甘えてくるたこルカに、ルカはなんだか嬉しそうだ。

「ルカちゃん、お上手お上手!」

パチパチと手を叩くミクに照れくさそうにルカはうつむいてしまう。照れ照れとした態度に、ミクはにぱぁと満面の微笑みで大変ご機嫌な様子。
たこルカもまたルカの胸の内でパチパチと手を叩き、惜しみない称賛にルカの表情はますます赤くなる。
たこルカに負けじと血色のよい桃色は、ちょっとしたお揃いとミクを少しだけ羨ましがらせていた。

「ルカちゃん、こっちこっちー!」

そんなこんなで今度はルカの番だ。もともと活発的なミクとは対照的に透き通るような白い肌に細い腕、おとなしめなルカには上手くたこルカを届けられるかわからない。
そんな不安の込められた眼差しのまま見下ろせば、たこルカがこちらをじっと見つめてきていた。

「きゅっ!」

円らながら、まるで『まかせろ』と云わんばかりに伝わってくる力強い瞳に、ルカはなんだか勇気づけられる。力強く頷いて一度たこルカを抱きしめると、ミクの方へ向かい下からたこルカをポーンと放っていた。
空高く舞い上がったたこルカはゆっくりとミクへと近づいている。しかし、まだ勢いが足りない。
このままではミクのところへは届かないだろう。
はらはらとルカが不安そうにたこルカの行く末を見守っていれば、たこルカが大きく息を吸い込んでいく。

「きゅうううううっ!」

盛大な掛け声とともに、たこルカは風船のように大きく膨らんで、あらん限りの力で足をバタバタと動かしていった。

「たこちゃん、がんばれー!」

たこルカの一所懸命な姿にミクも精一杯声援を送る。たこルカの踏ん張りのおかげでミクとの距離が縮まってきた。
あと2メートル…、1メートル…、50センチ…、もう少しというところでルカは目を瞑って手をぎゅっと握りしめ、何かに縋るように祈りだす。

「きゅー!!」

その願いが届いたのか次の瞬間、たこルカはミクのもとへと飛び込んでいた。嬉しさのあまりわあっと歓声が上がる。
そんな騒ぎが気になってルカはおそるおそる目を開く。びくびくとしながらもルカが目にした光景はミクとたこルカが仲良く手をつなぎながらくるくると回っていると実に楽しそうな様子だ。

「たこちゃん、すごーい!」
「きゅっきゅっきゅーう!」
「ルカちゃーん!やったよぉ!」
「きゅーうっ!」

端から見ても分かるくらいにミクとたこルカは気分も高揚としており、おまけにルカの方へぶんぶんと手を振り回しているあたり、まだまだミクとたこルカの興奮は冷めそうにない。
すると今度はたこルカがルカの方へと宙を楽しそうに舞っていく。そんなこんなで二人の間をたこルカが舞うのはまだまだ続きそうだ。
緑の髪の母親は、そんな光景をにやにやと頬を緩めながら見守っていた。


「ミクー、ルカー?」

しばらくすると、二人を探す大きな声が聞こえてきた。桃色の髪の母親が二人を探しに庭へと出てきたらしい。
その声に気づいたのか、緑の髪の母親が手をひらひらと振り手招きをする。
やけに楽しそうに顔をニヤつかせたことを不思議に思ったのか、桃色の髪をたなびかせて彼女は多少あきれた様子でもう一人の母親のもとへと近づいていく。

「どうしたのよ。やけに機嫌がいいわね」
「あれ見てみなよ」

彼女が指差した先で、ミクとルカが楽しそうにじゃれ合っていた。たこルカが二人の間を楽しそうに飛び回っている。いや、投げられているといった方が正しいべきか。
ぽんぽんとキャッチボールのようにたこルカが行き交っていて、その娘達の楽しそうな表情を見るやほんのりと唇を歪めて思わず笑みがこぼれてしまう。

「楽しそうね」
「でしょ!?ところでさ、二人に何か用?」
「あー、そろそろおやつの時間だから何がいいって聞きたかったんだけどね」

嬉々として子供たちを見つめていた緑の彼女であったが、桃色の彼女の言葉に一瞬だけ表情が硬くなる。
何やら考え込むような仕草をした後、おもむろに畳んだ洗濯物の中から一枚のシーツを取り出していた。

「まあ、大丈夫なんじゃない?」
「…?」
「とりあえず見てなって」

そうは言うものの、訳が分からず桃色の彼女が首を傾げてしまうのも無理はないかもしれない。
とはいえ何か思うことがあるようで、柔和な笑みを浮かべている彼女の言うとおりに桃色の母親は二人の愛娘を見守ることにする。
よくよく観察してみれば、どうやら二人と一匹の間で最高潮が近づいているらしい。

「いっくよー!」
「きゅうう!」

二人の母親が見守る中、ミクが思い切り振りかぶって、ポーンと力の限りたこルカを放り投げる。ミクの力を一身に受けて、たこルカはルカに向かって一直線に飛んでいた。
その表情はいつになく本気で全力であることが伝わってくるようだ。その想いを受け止めようとルカは両手をいっぱいに広げて待ち構えていた。

「きゅっきゅっきゅ!」

投げられた勢いそのままにルカの胸の内に飛び込んで、たこルカは楽しそうにはしゃぎだす。ルカもまた釣られて楽しそうに笑っていた。
もちろんそのまま終わるわけでもなく、たこルカを挟み込むようにミクが勢いよく飛び込んでくる。
もしかしたらミクもまた、たこルカと同じようにルカに受け止めてほしかったのだろうか。

「たこちゃん、ずーるーいー!ミクもルカちゃんにぎゅーってする!」
「きゅうっ」

きゃっきゃと二人と一匹の間ではしゃぐ声が辺りに響き渡り、気の済むまでじゃれ合っているようだ。
その光景を和やかな表情で見つめながら、二人の母親は顔を見合わせる。
桃色の彼女がクスクスと笑いだし、緑の彼女もそれに応えるようにニカッと笑い出す。
二人はしばしの間、子供たちの和やかな姿を眺めていたが、それもふとした出来事で終わりを告げる。

「ルカちゃん、おねむなの?」
「きゅう?」

ミクの心配そうな声で気が付いて、ルカを見ればうとうとと寝ぼけ眼で頭を上下に揺らしていた。さっきまで元気に遊んでいたのがウソのように今にも眠ってしまいそうだ。

「ルカちゃん、まだ眠っちゃだめだよ?家の中でおねんねするの」
「きゅうう」

ルカが倒れてしまわないように、ミクとたこルカで力を合わせてルカを支えるが、子供の力では限界のようだ。
ミクとたこルカの様子に二人の母親は慌てて娘のもとに駆け寄り、ルカを抱え込む。
抱き上げられたルカはというと気持ちの良さそうに寝息を立てていた。
可愛らしい寝顔に安心して、ルカを畳みのある和室へと運んでいく。その際畳んだばかりのシーツをそっとルカの上にかければ、くすぐったそうに身体を震わせる。

「きゅうぅ…」
「ふわあぁ…」

そんなルカをじっと見つめていたら眠気を移されてしまったのか、ミクとたこルカも大きく欠伸をしてしまう。もちろん、遊び疲れてしまったのもあるのだろうが。
眠たそうに瞳を擦りつつ、気が付けばルカのシーツへと潜り込んでいた。いつの間にやら寝息を立てており、どことなく幸せそうな寝顔だ。

「おやすみミク、ルカ、たこちゃん」

仲良く二人と一匹が並んでいるのを温かい眼差しで見つめながら、緑の母親はとても優しい手つきで娘の頭を撫でていく。
天使のような寝顔を堪能してから、桃色の彼女の方へと向き直っていた。

「さてと、この子たちも寝ちゃったし、どうしようか?」
「そうね、せっかくのおやつも用意する必要なくなったしね」
「せっかくだからさ、久しぶりに二人でのんびりお茶でもしない?」

とりあえずお茶の時間を無駄にする気はないらしい。『二人で』というところを強調するあたりデートを楽しむつもりのようだ。
緑の彼女がそっと手を重ねてきたのに反応して、桃色の彼女もまた唇を歪めていく。

「そうね、たまにはこういうのも悪くないわね」

そう言ってふふっと微笑むと緑の彼女の手に指を絡めてきた。まんざらでもない様子に二人の心音は少しだけ加速する。
出会ったころのような胸を締め付ける感覚とは違うけれど、それが懐かしく思える心地よい心音が二人を穏やかな雰囲気で包み込む。

「でもその前に、この子たちの寝顔を堪能してから行きましょ」
「そうだね」

二人の母親の穏やかな雰囲気などつゆ知らず、子供たちは相変わらず幸せそうに眠ったままだ。
二人の時間までもう少しと、二人の母親は娘たちに慈愛に満ちた眼差しを送っていた。







ルカさん誕生日おめでとうございます。誕生日とは全く関係ありませんが、たこルカをポンポンと投げるちびっこ達を書きたくて仕方なかったので。
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