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空と星と私達

本格的移転開始 1/30 小ネタ(VOCALOID・extra)

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小ネタ(おひるねぎとろ 二度寝目)

「ミクー、ルカー、おやつよー!」

ミクとルカが部屋で遊んでいる中、母親がのんびりとした声で呼びかけてくる。
「おやつ」という言葉に反応して二人は顔を見合わせる。ミクはにへらと頬を緩ませて、ルカの手を取っていた。

「ルカちゃん、いこ?」

ミクに促されるまま、ルカはこくりとうなずいている。その様子に満足したのか、ミクは満面の笑みを浮かべながらルカの手を引いていく。
リビングに着けば、テーブルには美味しそうないちごのショートケーキが二つ並んでいた。
そこには桃色の髪をたなびかせた母親が笑顔で出迎えてくれる。

「ケーキ!」

しかし、そこは子供の思うところ、ケーキのほうに夢中になってしまうものらしい。ミクもルカも瞳を輝かせながらじっと見入っている。花より団子というものであろうか。
そんな二人に苦笑いを浮かべながらも、母親はフォークを差し出していた。

「ミク、ルカ、ちゃんとお手手は洗った?お手手をキレイキレイしない悪い子にはおやつはなしよ?」
「うん!」

やはり、おやつはなしという言葉が効いているのか、元気な声で返事をすると、二人は仲良く台所まで駆け足で手を洗いにいく様子。
着くなりそのまま蛇口をひねりポンプ式の石鹸を取ると、ミクは楽しそうに歌いだしていた。

「あわあわー!ルカちゃんもあわあわー!」

そう言ってミクはルカの手を取るとごしごしとこすり付けている。泡立った手と手のふれあいにミクとルカは終始ご満悦の様子だ。実際、母親にまでミクの歌声が聞こえてきたあたり、おやつのことを忘れているのではないかと思わせるくらいなのだから、それも仕方ないのかもしれない。
ようやく台所から離れて、二人は改めてテーブルに着く。待ちくたびれたといわんばかりに母親は呆れたように一息ついていた。

「いただきまーす!」

ミクの元気のいい声にルカは丁寧に手を合わせて、二人は早速ケーキを一口頬張っていく。
口の中に入れた瞬間にぱあっと輝かせた表情がなによりもケーキのおいしさを物語っていた。夢中になってかじり付く姿に母親は穏やかな笑顔を浮かべている。まるでこの時間が至福といわんばかりに母親の表情は慈愛に満ち溢れていた。

ゆったりとしたおやつの時間も、半分くらいケーキを食べたところでミクのフォークを動かす手が止まり、一点をじっと見つめている。視線の先にはイチゴの残ったルカのケーキ。
まじまじと見つめている視線に気づいたのか、ルカがふと顔を上げる。
そんなルカに気づいていないのか、相変わらずミクの視線はルカのケーキに釘付けのままだ。さすがにミクが狙っていることには気が付いたようで、ルカはしかめっ面で睨み付けていた。
しかし、それでもめげることはなく、ミクはケーキが気になってしまうようだ。思わずルカはイヤイヤと訴えるようにぶんぶんと首を振ってしまう。

「こらミク!ミクのケーキはちゃんと残っているでしょう?」

これには母親も黙っているはずがなく、声音を落として叱りつける。当の本人はというと、どうして怒られているのか分かっていないようでハトが豆鉄砲を食らったような表情をしていた。

「え、でもルカちゃんのケーキ美味しそう…」

隣の芝生は青いのか、ルカのケーキが気になるようでなかなか視線を外さない。子供ながらに一生懸命に訴えるがそれでも悪いことは悪いことだ。
母親はルカに視線を移す。怯えているのか今にも泣きだしてしまいそうだ。ケーキが取られそうなことに怯えているのか、それともこれからミクが叱られることに怯えているのか。

「ミク、ルカを見なさい。ミクが悪いことしたから今にも泣きそうじゃない」
「…!ごめんなさい」

目にいっぱい涙を溜めたルカを見て、ようやくミクは自分のしでかしたことに気が付いた。
ルカを泣かせたことを謝ろうと優しく頭を撫でていく。

「ごめんね、ごめんねルカちゃん」

ミクもまた釣られて泣きそうになり、しゃがれた泣き声で何度も謝っていた。やはりルカが泣いてしまう姿を見るのはイヤなのかもしれない。
そんなルカもまたミクをぎゅっと抱きしめて、泣きじゃくるミクの肩をポンポンと叩いてをあやしていく。えぐえぐと激しかったミクの泣き声も次第に治まっていき、ルカは安堵の笑みを浮かべていた。
そのままルカは母親の方へ振り返る。不安と期待の入り混じった眼差し。もしかしたらミクをこれ以上叱らないでほしいと訴えているのであろうか。
小さくくりくりとした目で真剣に訴えられては勝てるはずもなく、母親は呆れたように、しかし、慈愛の込められた笑みを浮かべていた。

「はいはい、もう怒らないからそんな顔しないの」

その言葉にようやく安心したのか、ルカはやんわりと表情を崩していく。落ち着いたところで残りのケーキを口にしようとフォークを伸ばしていくと目の前をすっと何かが通り過ぎていた。
驚いて目を瞬かせていたら、ミクが照れくさそうに自分のケーキをひとかけら、フォークで差し出していることに気づく。

「あのねルカちゃん。これ仲直りの印」

もしかしたらミクを守ってくれたことへのお礼も含まれているのだろうか。
おずおずと上目遣いで見つめていることに、ルカはしばらく目を丸くしていたが、やがて嬉しそうに頬を緩めてぱくっと、ひとくちケーキを口に含んでいく。

「おいしかった?」

はらはらと不安顔でルカの顔を覗き込むミクに、こくこくと頷いてルカは満面の笑顔を浮かべていた。
よほど嬉しかったのだろう。今度は自分の番といわんばかりにルカは自分のケーキが刺さったフォークをミクの目の前に差し出していた。

「…いいの、ルカちゃん?」

先ほどのやり取りが躊躇わせているのか、ミクは瞳に不安の色を灯して、ケーキを目の前にしたまま動けないでいる。
しかし、それはルカの笑顔の前では無意味のものだった。にぱっと笑って頷くルカを前に、ミクはおそるおそるケーキを口に含んでしまう。
ふわっと口の中で広がっていくクリームの香りがミクの鼻先をくすぐる。やはりルカに食べさせてもらうケーキの味は格別だった。
もきゅもきゅと口を動かす中で不意にミクとルカの視線がぶつかり合う。よほど嬉しかったのか、ミクは思わず感謝の言葉を口にしていた。

「ルカちゃん、ありがとー!すごくおいしかったよ!」

その言葉は子供っぽく短絡的ながらも精一杯の感謝が十分に伝わったようだ。ルカは若干照れくさそうに、そのまま残りのケーキを平らげて満足そうに頬を緩めていた。

その和やかな様子に一息ついて、母親は食器を片付けようと席を立っていた。後ろ目で見てみれば、二人は仲良く口の周りを拭き合いっこしている。
鼻歌交じりに食器を洗う中、ミクとルカのじゃれ合っている声が聞こえてきた。
とても楽しそうな声音はまるでオルゴールのように心地よく、身体の隅々まで癒されるようだ。
やがてほどなくして洗い物も終わり、母親はミクとルカの様子を見に戻る。いつの間にか二人の騒ぎ声がすっかりとおとなしくなっていたので、少し気になっていた。

「…あらら」

リビングに入ればソファーの上でミクがルカの上に覆いかぶさるように眠っている。
おなかがいっぱいになったところで眠気が襲ってきたのか、じゃれ合っていたら疲れてしまったのかそれは分からない。
しかし、天使のような寝顔の前ではそれも些細なことだ。

「ほんとに二人は仲がいいわね」

起こさないように小さくクスクスと笑い声をあげて、母親はシーツを取りに行く。
その間も寝返りを打つようにミクはルカをきゅっとつかんでいた。どうやら離す様子はなさそうだ。もしかしたら夢の中でもじゃれ合ったりしているのだろうか。
パタパタとスリッパの音とともに母親が帰ってきて、二人にシーツを被せていく。母親らしく慈愛の笑みを浮かべて、とても楽しそうに二人の様子を眺めている。
ふと母親の目に二人の唇がかすかに緩んでいくさまが飛び込んできた。やはり幸せな夢見心地に身を任せているらしい。
このまま二人を眺めているのも悪くなかったが、もうすぐ愛しい人が帰ってくるころだ。残りの家事をさっさと片付けてしまおうとゆっくりと腰を上げる。

「おやすみミク、ルカ」

そう言い残して母親はリビングを後にする。
リビングに残されて、ソファーで気持ち良く寝息を立てている二人は、目を覚ますまでの間をとても穏やかな、母親が天使の寝顔と形容したのも頷けるような幸せそうな寝顔をしていた。









あいのさんのちびネギトロことねぎちゃんとろちゃんがあまりにも可愛くて、気が付けば自分もちびネギトロを書いていました

ちなみにタイトルは同じですが、前回のおひるねぎとろとは全く関係がありません

あいのさん、名前を載せてもいい許可をいただくなどいろいろとありがとうございました!
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12/06/24UPしました

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