小ネタ(VOCALOIDとマスターさん)
…カタカタカタ。
私は指を滑らせるようにキーボードを叩き、目の前の画面に集中している。
「…で、なにやっているわけ?メイコ?」
私は振り向きもせずに後ろに立っている女性に声をかける。
すると、メイコと呼ばれた女性が私の後ろから耳元へと唇を寄せてきた。
「マスターの小さな胸を少しでも大きく…」
「ちっさい言うな」
メイコの言ってきた冗談(多分)を遮り手を振り払って、私はようやっと振り向いた。
「メイコ、ミク」
呼びかけに応じてメイコが、そして、ミクと呼ばれた少女が私の前に仲良く並んでいく。
「なんですか、マスター?」
「ひょっとして、新曲?」
ミクが、メイコが、それぞれ身体を乗り込ませてパソコンの画面を覗き込みながら聞いてくる。
「ええ、これからレッスンしたいんだけど、大丈夫?」
「はい!」
「いつでもいいわよ」
私の問いかけに二人は顔を見合わせて、それから笑顔で快く引き受けてくれる。
「マスター、うまくいったらごほうびにマスターの胸を揉ませてください」
…訂正、ミクだけが快く引き受けてくれる。
「…メイコ、私をからかって楽しい?」
一応、注意はしてみるのだが、メイコはいつになく真剣な表情で口を開いていた。
「いいえ、からかってません。本気です」
………初めてウチに来た時はしっかりとした姉御肌だったのに。
何がいけなかったのだろう?
「あの~、メイコさん。マスター困ってますよ」
ミクがおろおろとした表情で私をかばってくれる。まだウチに来たばかりだから、私達の付き合い方に慣れていないみたいだ。
…メイコの悪い影響を受けなければいいけど。
「大丈夫よ、ミク。マスターはそんなに嫌がってないから。それに、マスターの可愛い声を聞いたらやみつきになるわ」
「…そうなんですかマスター!?」
……………すでに手遅れらしい。目を輝かせてこっちを見てきて…、
…何、この危機感。
「…わかったから、メイコの案は却下だけど、なんか考えとくから」
…もはやため息を出さずにはいられなかった。
「メイコ、ミク!さっさとレッスン始めるよ!」
そして、私達の一日はゆっくりと動き出していくことになる。
昔の作品のサルベージです
マスターいづるとMEIKOとミクのどたばた小話になります。中身は百合なのでご注意ください。
私は指を滑らせるようにキーボードを叩き、目の前の画面に集中している。
「…で、なにやっているわけ?メイコ?」
私は振り向きもせずに後ろに立っている女性に声をかける。
すると、メイコと呼ばれた女性が私の後ろから耳元へと唇を寄せてきた。
「マスターの小さな胸を少しでも大きく…」
「ちっさい言うな」
メイコの言ってきた冗談(多分)を遮り手を振り払って、私はようやっと振り向いた。
「メイコ、ミク」
呼びかけに応じてメイコが、そして、ミクと呼ばれた少女が私の前に仲良く並んでいく。
「なんですか、マスター?」
「ひょっとして、新曲?」
ミクが、メイコが、それぞれ身体を乗り込ませてパソコンの画面を覗き込みながら聞いてくる。
「ええ、これからレッスンしたいんだけど、大丈夫?」
「はい!」
「いつでもいいわよ」
私の問いかけに二人は顔を見合わせて、それから笑顔で快く引き受けてくれる。
「マスター、うまくいったらごほうびにマスターの胸を揉ませてください」
…訂正、ミクだけが快く引き受けてくれる。
「…メイコ、私をからかって楽しい?」
一応、注意はしてみるのだが、メイコはいつになく真剣な表情で口を開いていた。
「いいえ、からかってません。本気です」
………初めてウチに来た時はしっかりとした姉御肌だったのに。
何がいけなかったのだろう?
「あの~、メイコさん。マスター困ってますよ」
ミクがおろおろとした表情で私をかばってくれる。まだウチに来たばかりだから、私達の付き合い方に慣れていないみたいだ。
…メイコの悪い影響を受けなければいいけど。
「大丈夫よ、ミク。マスターはそんなに嫌がってないから。それに、マスターの可愛い声を聞いたらやみつきになるわ」
「…そうなんですかマスター!?」
……………すでに手遅れらしい。目を輝かせてこっちを見てきて…、
…何、この危機感。
「…わかったから、メイコの案は却下だけど、なんか考えとくから」
…もはやため息を出さずにはいられなかった。
「メイコ、ミク!さっさとレッスン始めるよ!」
そして、私達の一日はゆっくりと動き出していくことになる。
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マスターいづるとMEIKOとミクのどたばた小話になります。中身は百合なのでご注意ください。
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10/10/11加筆修正しました
12/07/13再録