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空と星と私達

本格的移転開始 1/30 小ネタ(VOCALOID・extra)

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VOCALOIDと思い出話 (4/6)

そして、メイコに曲を書き始めてからしばらく経ってからのこと。

「マスター!」

私との生活にもようやく慣れてくれたらしく、メイコは機嫌良く私の下へ駆け寄ってくる。
まるで子犬になつかれていりみたいでなんだかくすぐったい。

「どうしたの、メイコ。ずいぶんと機嫌が良さそうじゃない?」
「はい!初めて他の方から拍手をいただいたんです」

それはメイコのために書いてた曲で、その内のいくつか上司が選んでくれた良さそうなものを公開していた。
もちろん反応を貰うことは難しく、やっと良い反応をもらうことができて、私達は素直に喜ぶ。
それまでは試しに上司に聞かせてみては、厳しい言葉やそれに伴うアドバイスをもらっていた。そんな時はよくメイコと近くの公園で練習したり、慰め合ったりしていたものだ。
そして、何曲も何曲も作り上げた後、やっと上司が「いいんじゃないかしら?」と判を押してもらうことが出来た。そうして太鼓判を押してくれた曲を公開していた訳だけれど、こうして拍手をもらうまではとても不安だった。

「ありがとう、メイコのおかげよ」

自然とメイコへの感謝の言葉が出てきて、私はゆっくりと微笑みかける。
メイコは急に表情を赤らめて、慌てたように手を振ってきた。その仕草がとても可愛くて、なおさら頬が緩んでいくのを実感してしまう。

「そんな…、すごいのはマスターの方です!
わたしはただマスターの書いた曲の通りに歌っただけですから!」
「そんなことないわよ。ちゃんと声に力がこもっているし、張りも伸びもあったわ。間違いなくメイコの力よ」

顔をさっきよりも真っ赤にして思いきり照れているメイコが可愛らしくて、私はクスッと笑い声を上げてしまう。
笑い声が追い打ちになったのか、ますますメイコは顔が赤くなっていき、気づけば頭から湯気が出てきそうと思わせる程になっていた。

「…たとえそうだとしても、すごいのはマスターだと思います。わたしはただ、マスターのことを想って歌いました。マスターがわたしに力をくれたんです」

メイコの言い放ってきたセリフに、顔の表面がみるみる熱くなっていくのを自覚してしまう。屈託のないメイコの笑顔に、私は胸の鼓動が激しくなっていた。
…どうしてだろう、メイコに褒められただけなのに胸がとても熱く感じるのは。


「…その、ありがと。なんかメイコに褒められたことが一番嬉しいわね」
「はい。わたしもマスターに褒められることがなによりも嬉しいです」

この時、自分の胸の中に生まれた温かい感情がどんどん膨らんでいくように感じてしまう。
気がつけば、私は力強くメイコを抱き締めていた。「えっ」とメイコの驚きの声が聞こえたが構わず抱き締めていく。

「ありがと、本当にありがとね、メイコ」
「…マスター」

震え出した身体を落ち着かせようと、私はメイコとひとつに溶け込んでいくように優しく抱き締めていく。メイコに私の鼓動が聞こえても構わないくらい密着していくと、メイコもまた私から離れないように抱き締めてくれた。
やがて身体の震えも止まり、私はメイコを放してお互いに見つめ合う。

「メイコ…。目が潤んでいるわよ」
「マスターこそ涙が溢れそうになってますよ」

なんとなく、私達の心がひとつに溶け合ったような気がして、私達は笑い合っていた。
…しばらくして、私は何かを思いついたようにゆっくりと口を開いていく。

「…そうだ。拍手をもらった記念にメイコにご褒美をあげようか。メイコ、私に出来ることならなんでも言っていいわよ」

私の言葉にメイコはきょとんと目を瞬かせていた。けれど、しばらくするとおずおずとその事を告げてきてくれる。
私は笑顔で応じると、早速メイコの手を引いていき行動を開始していた。
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